コロストミーガイド · SIIL Ostomy
コロストミーのパウチ:種類・交換方法・毎日の暮らしまで完全ガイド
コロストミーのパウチについて知りたいことを、ひとつにまとめました。仕組み、タイプの選び方、交換の手順、そして毎日を快適に過ごすコツまで。

コロストミーのパウチ(ストーマ袋)は、コロストミー手術のあとにストーマのまわりへ貼りつけて、便を受ける柔らかい密閉式の袋です。大腸はまだ水分を吸収するので、便は軟らかいものから形のあるものが多く、閉鎖型パウチを1日1〜2回交換する人もいれば、開放型パウチを3分の1から半分ほどたまったところで排出する人もいます。パウチは単品系と二品系、平面型と凸面型、フィルターあり・なしから選べます。面板は3〜5日ごとに交換し、開口部はストーマの大きさに合わせてカットし、皮膚は清潔に乾いた状態に保ち、便がたまって重くなったパウチはしっかり支えて、密着がはがれないようにしましょう。
コロストミーのパウチとは?仕組みをやさしく解説
コロストミーは、大腸(結腸)の一部をおなかの壁に開けた穴から外へ出す手術です。この出口をストーマと呼びます。ストーマには痛みを感じる神経がなく、ピンク色か赤色でうるおいがあります。筋肉のように自分の意思で動かすことはできないので、腸が動くたびに便が出てきます。
それを日常生活で無理なく扱えるようにしてくれるのが、コロストミーのパウチです。軽くて防臭性のある袋で、面板(ベースプレートとも呼ばれる、やわらかい粘着性の保護材)を使ってストーマのまわりの皮膚に貼りつけます。便とガスをためて、必要に応じて中身を捨てたり、パウチを取り替えたりします。うまく使えば服の下でもわかりませんし、仕事も旅行も運動も水泳も、あきらめる必要はありません。
ストーマ
大腸の先端を、おなかの表面まで出したものです。最初の6〜8週間で小さくなっていきます。
面板
肌にやさしい粘着性の保護材で、ストーマの大きさに合わせて穴をカットして使います。しっかり密着して皮膚を守ります。
パウチ
便とガスをためる密閉式の袋です。フィルターがガスを逃がし、ニオイを抑えてくれます。
ストーマの位置で、出てくるものが変わります
ストーマが大腸の先のほうにあるほど、腸が水分をたくさん吸収しているので、便はしっかりした形になります。自分のタイプを知っておくと、合うパウチや毎日のケアを選びやすくなります。
コロストミーには、単孔式(出口がひとつで、肛門側の腸は切除されるか閉じられている)と、双孔式(腸のループを持ち上げて開口する方法で、一時的なことが多い)があります。また、あとで元に戻せる一時的なものと、永久的なものがあります。
| タイプ | 位置 | 便の目安 | よく使うパウチ |
|---|---|---|---|
| 上行結腸 | 右側、大腸のはじまり | 水っぽいものからどろどろ、回数が多い | 開放型。イレオストミー(回腸ストーマ)に近いことが多い |
| 横行結腸 | おなかの上のほう | 軟らかいものからどろどろ、1日に数回 | 開放型または閉鎖型 |
| 下行結腸 | 左側 | 軟らかいものから形のあるもの、1日1〜2回 | 閉鎖型または開放型 |
| S状結腸 | 左下腹部 | 形のある便、1日1回のことが多い | 閉鎖型パウチ。洗腸ができる場合もあります |
コロストミーのパウチの種類
選ぶポイントは4つです。閉鎖型か開放型か、単品系か二品系か、平面型か凸面型か、そしてサイズと色。どれが優れているということはありません。しっかり密着して、皮膚が落ち着いていて、自分の生活リズムに合うものが正解です。
| 種類 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 閉鎖型パウチ | 下が閉じていて、使ったら捨てる | 形のある便で、1日1〜2回交換する人 |
| 開放型パウチ | 下が開いていて、クリップやマジックテープで閉じる | 軟らかめの便の人、上行結腸・横行結腸のコロストミーの人 |
| 単品系 | パウチと面板がひとつになっている | 薄くて、ケアがシンプルなものがよい人 |
| 二品系 | 面板は貼ったまま、パウチだけをカチッと着け外しできる | 敏感肌の人、ケアの時間を柔軟に決めたい人 |
| 平面型の面板 | やわらかくしなやかな保護材 | 皮膚から盛り上がっているストーマ |
| 凸面型の面板 | ゆるやかにカーブした保護材 | 平らなストーマ、へこんだストーマ、皮膚にしわがある人 |
| フィルター | ガスを逃がす活性炭の通気口 | パウチのふくらみとニオイをおさえたい人 |
| 不透明・透明 | パウチのフィルムの色 | プライバシーを重視する人、ストーマの状態をすぐ確認したい人 |
自分に合ったコロストミーのパウチの選び方
まずは便の状態から
形のある便なら閉鎖型パウチが向いています。軟らかい便や回数の多い便には、開放型パウチが向いています。
ストーマのサイズを測る
計測ガイドを使い、面板の開口部はストーマより約3 mm大きくカットします。
肌と体型に合わせる
皮膚の状態、しわの有無、ストーマの形に合わせて、平面型か凸面型か、単品系か二品系かを選びます。
サンプルを取り寄せる
メーカーや皮膚・排泄ケア認定看護師から、無料サンプルを取り寄せることができます。それぞれ数日ずつ試してみましょう。
1日の過ごし方も考える
仕事、運動、旅行、睡眠も大切な要素です。ジム用の小さめのパウチと、夜用の大きめのパウチは、同じ面板に着け替えて使えます。
コロストミーのパウチの交換方法、ステップごとに解説
腸の動きが落ち着いている静かな時間を選びましょう。食事の前の朝がおすすめです。先に必要なものをすべて並べておくと、あわてずに作業できます。
準備する
手を洗い、新しい面板とパウチ、計測ガイド、はさみ、ウェットティッシュ、廃棄用の袋を並べます。
やさしくはがす
古い面板は上から下へ向かってゆっくりはがし、反対の手で皮膚を押さえながら進めます。
皮膚をきれいにする
ぬるま湯とやわらかい布を使い、油分の多い石けんは避けます。そのあと皮膚をしっかり押さえるように拭いて、完全に乾かします。
ストーマを確認する
うるおいがあって、ピンクから赤色であれば正常です。まわりに赤み、発疹、皮膚の傷がないか見てください。
サイズを合わせて貼る
面板の開口部をストーマより約3 mm大きくカットし、台紙をはがして、下から上へ向かって押さえながら貼ります。
手で押さえておく
1〜2分ほど面板の上に手を当てておくと、体温で粘着剤がしっかりなじみます。
閉じて、捨てる
パウチを装着して口を閉じます。使い終わったパウチは密閉できる袋に入れてごみ箱へ。パウチをトイレに流してはいけません。
コロストミーのパウチはどのくらいの頻度で交換・排出する?
閉鎖型パウチは、1日に1〜2回の交換が目安です。開放型パウチは、重みで密着部分が引っぱられないよう、3分の1から半分ほどたまったところで排出し、排出口をすすぐか拭き取ります。
面板、または単品系のパウチは、およそ3〜5日貼ったままにできますが、かゆみやヒリヒリ感があるとき、端がはがれてきたときは、もっと早く交換します。漏れるまで待たず、最初のサインで交換してください。もっと詳しく知りたい方は、ストーマ袋の交換と排出の頻度についてをご覧ください。
便、食事、ガスのこと
新しくコロストミーを造ったあとは、リズムが落ち着くまでに数週間かかることがよくあります。そのあとは、ほとんどの人がほぼなんでも食べられるようになります。新しい食べ物はひとつずつ試し、よくかんで、水分をこまめにとりましょう。
便がゆるすぎるときは、白いご飯、うどんやパスタ、バナナ、オートミールなどのでんぷん質の食べ物が役立ちます。便がかたすぎるときは、水分を増やし、オートミールや加熱した野菜、洋なしのようなやわらかい食物繊維をとり、体を多く動かしましょう。豆、キャベツ、玉ねぎ、卵、魚、炭酸飲料は、ガスやニオイが増えやすい食べ物です。無料の栄養ガイドに、かんたんな目安をまとめています。
- 便がゆるいとき: 白いご飯、うどん・パスタ、バナナ、オートミール、すりおろしりんご、なめらかなピーナッツバター。
- 便がかたい・出にくいとき: 水分を増やす、オートミール、加熱した野菜、洋なし、プルーン、毎日の散歩。
- ガスとニオイが気になるとき: 豆、キャベツ、玉ねぎ、炭酸飲料はほどほどに。フィルター付きのパウチを使いましょう。
ニオイとガスの対策
密閉されたコロストミーのパウチは、口を閉じているあいだはニオイません。ニオイが出るのは、中身を捨てるときやパウチを交換するとき、そして密着部分から漏れたときです。フィルター付きのパウチを使い、トイレで中身を捨てたら流してから交換し、消臭用のドロップやスプレーをケア用品のポーチに入れておきましょう。
パウチがふくらむときは、フィルターが詰まっているか、ぬれている可能性があります。トイレでそっとガスを抜き、シャワーや水泳のときはフィルターカバーを使います。さらに詳しくは、ストーマのニオイ対策をお読みください。
シャワー、水泳、睡眠、運動
コロストミーのパウチは、毎日の生活で使うために作られています。シャワーはパウチを着けたままでも外しても大丈夫です。水がストーマを傷めることはありません。ほとんどの人は、フィルターカバーを使い、内ポケット付きの水着を着て、パウチを着けたまま泳ぎます。夜は、寝る前に中身を捨てるかパウチを交換して、仰向けでも横向きでも好きな姿勢で寝てかまいません。
運動もおすすめです。パウチを平らに支えてくれるサポートウェアを選び、手術の直後は重いものを持ち上げないようにしましょう。水泳のチェックリストは、ストーマと水泳をご覧ください。
- シャワー: パウチを着けたままでも外してでもOK。終わったら皮膚を押さえるように拭いて乾かします。
- 水泳: 先に中身を捨て、フィルターカバーとポケット付きの水着を使います。
- 睡眠: 寝る前に中身を捨てます。やわらかいカバーをつけると、プラスチックが肌に直接当たりません。
- 運動: ベルトやラップを着けて、パウチが揺れないようにします。
コロストミーのパウチが気にならなくなる、服とサポート
インナーを選べば、コロストミーのパウチの存在を忘れるほど快適になります。ハイウエストの内ポケット付きストーマ用ショーツは、パウチをおなかにぴったり平らに固定して、輪郭が目立たなくなります。やわらかなストーマ用ラップは、ぴったりした服の下でもなめらかにやさしく支えてくれます。ストーマ用に作られたベルトは、中身がたまって重くなったパウチを支え、粘着部分にかかる引っぱりを軽くしてくれます。端からの漏れは、ほとんどがそこから始まります。

布製のパウチカバーは、プラスチックを隠して、ガサガサという音も防ぎます。プールやビーチには、内ポケット付きのストーマ用水着を選びましょう。スポーツをする方や、よじ登ってくる小さなお子さんがいる方は、ストーマガードがぶつかりやシートベルトの圧迫からストーマを守ります。
コロストミーのパウチのよくあるトラブルと、すぐできる対処法
| トラブル | 考えられる原因 | 試してみること |
|---|---|---|
| 面板の下から漏れる | 開口部が大きすぎる、しわ、皮膚がぬれている | サイズを測り直す、しわをのばす、皮膚をしっかり乾かす、ベルトで支える |
| 皮膚のただれ・赤み | 便が皮膚に触れる、粘着剤をはがすときの刺激 | 開口部を小さくする、粉状の皮膚保護剤や被膜剤を使う、二品系に替える |
| パンケーキ現象 | 便がパウチの上のほうにたまってしまう | パウチの内側に潤滑剤を1滴入れる、パウチに少し空気を入れる、別のフィルターを試す |
| パウチのふくらみ | フィルターの詰まり、またはガスが多い | フィルター付きの新しいパウチに替える、ガスを抜く、フィルターカバーを使う |
| ストーマの近くのふくらみ | 傍ストーマヘルニアの可能性 | サポートウェアやベルトを使う、重いものを持たない、ストーマケアのチームに相談する |
| ストーマがいつもより長く見える | ストーマ脱出の可能性 | 横になってそっと押し戻し、ストーマケアのチームに連絡する |
コロストミーの洗腸:向いている人もいる選択肢
下行結腸またはS状結腸に単孔式のコロストミーがある人の中には、洗腸を行う人もいます。ぬるま湯で腸の中を空にする方法で、ふつうは24〜48時間ごとに行い、その間は小さなキャップやミニパウチだけで過ごします。皮膚・排泄ケア認定看護師による指導が必要で、すべての人に向いているわけではありませんが、自由度が高くて気に入っている人もたくさんいます。
よくある質問
コロストミーのパウチはどのくらいもちますか?
閉鎖型パウチは、1日1〜2回の交換が目安です。開放型パウチは、3分の1から半分ほどたまったところで排出します。面板、または単品系のパウチは約3〜5日貼ったままにできますが、漏れたり刺激を感じたりしたら、もっと早く交換します。
コロストミーのパウチはニオイますか?
フィルターがきちんと働いている密閉されたパウチは、ニオイません。ニオイが出るのは、中身を捨てるときやパウチを交換するとき、または漏れたときです。フィルター、消臭ドロップ、漏れの最初のサインですぐ交換することで、しっかり抑えられます。
コロストミーのパウチを着けたままシャワーを浴びられますか?
はい。パウチを着けたままでも、外してでも大丈夫です。水がストーマを傷めることはありません。フィルターカバーや速乾性の布を使うと、パウチをすっきり保てます。
コロストミーのパウチを着けたまま泳げますか?
はい。先にパウチの中身を捨て、フィルターカバーを使い、内ポケット付きの水着かハイウエストの水着を着ましょう。最近のパウチと面板は、プール、海、ジャグジーにも耐えられるように作られています。
閉鎖型と開放型のコロストミーのパウチは、何が違いますか?
閉鎖型パウチは密閉されていて、使ったら捨てるタイプで、形のある便に向いています。開放型パウチは下が開いて中身を出せるタイプで、軟らかい便や回数の多い便に向いています。
コロストミーのパウチから漏れないようにするには?
面板の開口部をストーマより約3 mm大きくカットし、皮膚をしっかり乾かし、しわをのばし、面板を1〜2分手で押さえて密着させます。パウチは中身がたまりすぎる前に排出し、ベルトやハイウエストのショーツで重さを支えましょう。
コロストミーでは何を食べてはいけませんか?
ほとんどの人は、ほぼなんでも食べられます。豆、キャベツ、玉ねぎ、炭酸飲料、魚、卵はガスとニオイが増えやすく、生のもの、筋っぽいもの、とても食物繊維が多いものは、手術後しばらくは不調のもとになることがあります。新しい食べ物はひとつずつ試し、よくかんで食べましょう。
コロストミーは元に戻せますか?
一時的なコロストミー(多くは双孔式)は、腸が治ったあと、ふつうは数か月たってから元に戻せます。永久的なコロストミーは元に戻せません。
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