ストーマとの暮らし · SIIL Ostomy
ストーマのある生活:毎日の暮らしを楽しむための完全ガイド
仕事、スポーツ、海、旅行、パートナーとの時間、睡眠、そして服選び。ストーマがあっても、ほとんどのことはまた楽しめるようになります。変わるのはいくつかの習慣だけで、あなた自身は変わりません。術後の数か月にだれもが抱く疑問に、実践的なアドバイスとともに率直にお答えします。

ストーマがあっても、充実したアクティブな毎日を送れます。ストーマそのものが寿命を縮めることはありません。寿命に関わるのは手術が必要になった病気であって、パウチではありません。術後の回復期を過ぎれば、多くの人が仕事やスポーツ、海、旅行、パートナーとの生活に戻っています。カギは3つ。慣れた交換の手順、しっかりした水分補給、そしてパウチを固定して目立たなくしてくれる服です。たとえばストーマベルトや内ポケット付きのハイウエストショーツがあります。
ストーマがあると寿命は短くなる?
ほとんどの人が、ときには小さな声で口にする質問です。ストーマがあると寿命は短くなるの? 正直にお答えすると、ストーマ(人工肛門・人工膀胱)そのものが寿命を縮めることはありません。ストーマは、腸や膀胱がこれまでとは違うかたちで働けるようにするための、手術によるひとつの方法です。何十年もストーマと暮らしている人もたくさんいます。
寿命に関わるのは、手術を受けた理由です。大腸がん、クローン病、潰瘍性大腸炎、憩室炎、外傷では、その後の見通しが大きく異なります。多くの場合、ストーマはむしろ問題を解決し、健康と元気を取り戻すためにつくられます。ご自身のケースについては、担当の外科医かストーマ外来の看護師(WOC看護師)に聞いてみてください。
もうひとつ大切なのが、一時的ストーマと永久ストーマの違いです。一時的ストーマは、数か月後に2回目の手術で閉じます。永久ストーマは、その後ずっと付き合っていくものです。どちらの場合も目標は同じ。できるだけ早く、また自分らしく暮らせるようになることです。
退院後の最初の数週間:どんなことが起こる?
退院してすぐの数日は、パウチ、ストーマのまわりの皮膚、服の着方、眠り方まで、何もかもが新しく感じられます。疲れやすく、少し不安になるのは自然なことです。数週間もすれば、歯みがきのように手順が自然と身についていきます。
自信を取り戻すのにいちばん役立つステップを、必要になることが多い順に紹介します。
自分の交換手順を覚える
始める前に、新しいパウチ、ウェットティッシュ、ゴミ袋、鏡をすべてそろえておきましょう。ストーマの動きが少ない、朝食前などの落ち着いた時間を選ぶのがおすすめです。
毎回、皮膚をチェックする
ストーマのまわりの皮膚は、傷や赤みのない状態が理想です。ヒリヒリしたりかぶれたりしたら、面板の穴のサイズが合っているかを確かめ、ストーマ外来の看護師に相談しましょう。
以前より多めに水分をとる
とくにイレオストミーでは、水分と塩分が多く失われます。水のボトルをいつも手の届くところに置き、1日を通して少しずつ飲みましょう。
少しずつ体を動かす
毎日の短い散歩は、回復にも気分にもよい効果があります。外科医の許可が出るまでは、重いものを持つことや腹筋に力を入れる動きは控えましょう。
やわらかく、ほどよく支える服を選ぶ
ハイウエストのショーツや薄手のラップがパウチを体に沿わせて固定し、重さを感じにくくして、動くときの安心感を高めてくれます。
ひとりで抱え込まない
家族、ストーマ外来の看護師、患者会。最初の数か月に助けを求めるのは自然なことで、気持ちもずっと軽くなります。
ストーマがあっても普通の生活は送れる?
はい、送れます。回復期を過ぎれば、ストーマのある人の多くが働き、旅をし、スポーツをして、外食を楽しみ、満ち足りたパートナーとの時間を過ごしています。変わるのはちょっとした実践的なことだけで、毎日の中身は変わりません。
人生のさまざまな場面で実際に何が変わるのか、そしてストレスなく対処する方法を、この表にまとめました。
| 場面 | 変わること | 対処のしかた |
|---|---|---|
| 仕事 | パウチを空にするための休憩、水分補給への気配り | バッグや引き出しに予備のセットを入れ、水のボトルはいつも近くに |
| スポーツ・ジム | 腹壁により気を配る必要がある | 少しずつ再開し、運動中はサポートベルトを着ける |
| 海・プール | 濡れてもパウチを目立たせないこと | ハイウエストや内側パネル付きの水着を選び、泳ぐ前にパウチを空にする |
| 旅行 | 多めの装具と空港の保安検査 | 機内持ち込みの手荷物に2セット、ストーマについて説明するカードも |
| パートナーとの時間 | 恥ずかしさや、パウチが見えてしまう不安 | パウチを覆うラップやショーツ、そしてパートナーとの率直な会話 |
| 睡眠 | 夜中の漏れへの不安 | 寝る前にパウチを空にし、パウチを固定する服を着る |
| 食事 | ガスが増えたり、便がゆるくなったりする食べ物がある | ゆっくり食べ、よく噛み、新しい食べ物は1つずつ試す |
ストーマと仕事
多くの場合、手術から数週間で仕事に戻れます。デスクワークは早めに、体を使う仕事はもう少しあとになるのが一般的です。同僚にストーマのことを伝える義務はありません。休憩を少し柔軟にとれるよう、上司や信頼できる人にだけ話している人もたくさんいます。
引き出しやリュックに、小さな予備セットを入れておきましょう。予備のパウチ、ウェットティッシュ、ゴミ袋、替えの下着です。そこにあると分かっているだけで、不安は半分になります。立ち仕事や重いものを持つ仕事なら、ストーマベルトがパウチを固定し、動くときの安心感を高めてくれます。
勤務時間や職場での権利、面接、実践的なアドバイスは、ストーマと仕事についての専用ガイドでも詳しく紹介しています。

スポーツ、ジム、海、プール
ウォーキング、水泳、サイクリング、ヨガやピラティス。運動は体にも心にもよく、ストーマがあってもほとんどのことができます。焦らずに再開し、コンタクトスポーツや重い負荷をかける運動は、外科医の許可が出るまで待ちましょう。運動中はストーマベルトがパウチを安定させ、どんな動きにも安心感をくれます。
海でもプールでも、パウチは問題になりません。最近のパウチは水に強くできています。泳ぐ前にパウチを空にし、面板がしっかり貼りついているかを確かめて、ストーマのために考えられた水着を選びましょう。ハイウエストのものや、内側のパネルが濡れてもパウチを平らに目立たなくしてくれるものがおすすめです。いつもの水着を着たい人は、水着の下にストーマ用ラップを着ければ同じ役割を果たしてくれます。

ストーマがあるときのシャワー、入浴、睡眠
ストーマがあるときのシャワーは、パウチを着けていても外していても安全です。水がストーマの中に入ることはありません。ふだんの日はパウチを着けたまま、交換日には外してシャワーを浴びる人がたくさんいます。新しい面板を貼る前には、皮膚の水気をしっかりふき取りましょう。パウチを水から守りたいときは、シャワー中にも着けられるラップやパウチカバーがあります。
ストーマがあるときの寝方は、横向きかあおむけがいちばん楽なことが多いです。傷が治っていれば、うつぶせでもかまいません。夜中の思わぬトラブルを減らす、ちょっとした習慣を紹介します。
ストーマと旅行
海辺での週末、長時間のフライト、キャンピングカーの旅。少し準備をすれば、以前と同じように旅を楽しめます。秘訣は、使うと思う量の2倍の装具を持ち、預け荷物ではなく機内持ち込みの手荷物に入れておくことです。
出発前に、このリストを確認しましょう。
パートナーとの親密な時間
ストーマがあっても、欲求も、満ち足りた性生活もなくなりません。最初にいちばん難しいのは、たいてい自分自身を見る目です。パートナーと率直に、ちょっとしたユーモアも交えて話すことで、緊張の多くはほどけていきます。
実践的な工夫も役立ちます。事前にパウチを空にする、親密な時間には小さめのパウチを選ぶ、そしてパウチをエレガントに覆うラップやショーツを身に着ける。自分をすてきだと思えることが、自由に感じるための第一歩です。

何を着る?パウチが目立たない服選び
クローゼットを丸ごと入れ替える必要はありません。たいていは、パウチを平らに体に沿わせてくれる賢いアイテムが2つか3つあれば十分。ジーンズもワンピースもシャツも、また以前のようにきれいに着こなせます。
ハイウエストのオストメイト用ショーツは、内ポケットがパウチを収めて支えます。ストーマベルトは動いたときのサポートと安定感をプラスし、仕事やスポーツにぴったり。ストーマ用ラップはいちばん使い回しのきくアイテムで、どんな服の下にも着られ、親密な時間にもパウチを覆ってくれます。アイデアはすべてストーマ用ウェアのコレクションでご覧ください。

気持ちのこと:調子のいい日も、つらい日も
ストーマを受け入れるのは、スイッチを切り替えるようにはいきません。少しずつ進んでいく道のりです。強い気持ちでいられる日もあれば、パウチのことしか考えられない日もあるでしょう。どちらも自然なことです。ストーマが秘密ではなくなり、自分の人生の一部になったときが転機だった、と話す人はたくさんいます。
身近な人と話し、お住まいの地域の患者会を探してみてください。気分の落ち込みが何週間も続くなら、心のサポートを求めましょう。ほかの治療と同じように、当たり前に受けていいケアです。とくにつらいときのために、つらい日に自分にかけたい言葉という記事も用意しています。

ストーマは一生続くもの?
手術の理由によって異なります。一時的ストーマは、腸が回復するあいだそれを守るためのもので、通常は数か月後にストーマ閉鎖術で閉じます。永久ストーマは、腸や膀胱の該当する部分が元のように働けない場合につくられます。
一時的ストーマの方は、ストーマ閉鎖術の前後に何が起こるかを読んでみてください。永久ストーマの方へのうれしい知らせは、時間がたてばほかの多くのことと同じように日常の習慣になり、暮らしはまたそれ以外のすべてで満たされていく、ということです。
ストーマのある生活についてよくある質問
ストーマがあると寿命は短くなりますか?
ストーマそのものが寿命を縮めることはありません。寿命は、手術が必要になった病気とその治療によって決まります。ストーマとともに何十年も、充実したアクティブな毎日を送っている人がたくさんいます。
ストーマがあっても普通の生活は送れますか?
はい。回復後は、多くの人が仕事、スポーツ、旅行、パートナーとの生活に戻っています。変わるのは、交換の手順や水分補給など、いくつかの実践的な習慣です。
ストーマがあっても海やプールに行けますか?
はい、パウチは水に強くできています。泳ぐ前にパウチを空にし、オストメイト用水着を着るか、水着の下にラップを着けて、パウチを平らに目立たなくしましょう。
ストーマがあるとき、シャワーはどう浴びればいいですか?
パウチを着けていても外していても、水がストーマに入ることはありません。ふだんはパウチを着けたまま、交換日には外して浴びる人がたくさんいます。新しい面板を貼る前に、皮膚の水気をしっかりふき取りましょう。
ストーマがあるとき、どうやって寝ればいいですか?
横向きかあおむけが楽なことが多く、傷が治っていればうつぶせでも大丈夫です。寝る前にパウチを空にし、パウチを固定する服を着て眠りましょう。
服の上からパウチは目立ちますか?
合った服を選べば目立ちません。内ポケット付きのハイウエストショーツ、ストーマ用ラップ、ストーマベルトがパウチを体に沿わせて平らに保つので、体にフィットする服もきれいに着られます。
パウチのにおいはしますか?
最近のパウチには防臭フィルターや防臭素材が使われているので、しっかり閉じて貼りついていれば、ふつうは何もにおいません。においが続くときは、貼りつきに問題があるかもしれないので確認しましょう。
手術後、いつからスポーツを再開できますか?
散歩はほぼすぐに始められます。ジムや水泳、より激しいスポーツは、通常数週間待って外科医の許可を得てから、サポートベルトを着けて少しずつ再開します。
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