オストミーの基礎知識 · SIIL Ostomy
単品系と二品系のストーマ装具:自分に合うタイプの選び方
役割は同じでも、設計は2種類。それぞれの仕組みと得意なこと、そしてストーマ・肌・服装に合うタイプの選び方をお伝えします。

単品系は、パウチと皮膚保護剤(粘着面板)がひとつにつながったタイプです。薄くフラットに収まり、貼るのは1ステップ。いちばん目立ちにくいのが魅力です。二品系は、数日間肌に貼ったままにする面板と、カチッとはめ外しできるパウチが別々になったタイプ。肌から何も剥がさずに、パウチの交換や排出、ストーマの確認ができます。どちらが優れているということはありません。薄さとシンプルさなら単品系、肌の保護、柔軟さ、パウチ交換のしやすさなら二品系が有利なことが多いです。
単品系と二品系、それぞれの仕組み
どのストーマ装具にも、役割は二つあります。ストーマのまわりにしっかり貼りつくことと、排泄物を受けとめること。システムによって違うのは、この二つの部分のつなぎ方です。
単品系では、皮膚保護剤(ストーマの穴があいた粘着面板)とパウチがずっとセットになっています。交換するときは全体を剥がして、新しいものを貼ります。目安は、コロストミーなら1〜3日ごと、イレオストミーやウロストミーでは3〜5日ごとという方が多いです。
二品系では、フランジやベースプレートとも呼ばれる面板を先に貼り、数日間そのままにします。パウチは、カチッとはまるプラスチックのリングか粘着式のカップリングで面板に取りつけます。パウチがいっぱいになったときや取り替えたいときは、パウチだけを外して新しいものをはめれば、面板はそのまま肌を守りつづけます。
面板
ストーマの大きさに合わせてカットした(またはあらかじめ穴があいた)、やわらかい粘着の保護剤です。肌をふさいで密着させ、全体を固定します。
パウチ
袋の部分です。形のある便向けの閉鎖型、留め具やマジックテープで閉じる排出口つきタイプ、ウロストミー用の排出コックつきタイプがあります。
つなぎ目
単品系は最初から一体です。二品系は、はめ込み式のリングか粘着式のカップリングで、面板を剥がさずにパウチだけ交換できます。
単品系と二品系を並べて比べる
この表は、二つのシステムの一般的な違いをまとめたものです。メーカーによって差があるので、目安として見て、できれば両方を試してみてください。
| 単品系 | 二品系 | |
|---|---|---|
| 服の下での見え方 | よりフラットで薄い | つなぎ目の部分がやや厚め |
| 装着のしかた | 1ステップで手早い | 2ステップ:先に面板、次にパウチ |
| パウチの交換 | 粘着部分ごと全体を剥がす | パウチだけ外す。面板はそのまま |
| 肌と粘着剤への負担 | 粘着剤を剥がす回数が多め | 面板の交換が少なく、敏感な肌にやさしい |
| ストーマの確認 | めくって見るか、装具を交換する | パウチを外してそのまま見られる |
| 柔軟さ | 1つの装具に1つの設計 | 1枚の面板でパウチの種類・サイズ・色を使い分けられる |
| 必要な手先の器用さ | 少なめ:つなぎ目を合わせる必要がない | やや必要:リングを合わせてカチッとはめる |
| コスト | 1回の交換あたりでは安いことが多い | 面板1枚あたり何個のパウチを使うかで変わる |
| こんな人に | シンプルな手順、薄い仕上がり、手の力が弱めの人 | 敏感な肌、排出が多い、柔軟に使い分けたい人 |
単品系が合いやすいのはこんなとき
最初は単品系から始める方が多いです。仕組みがわかりやすく、合わせる部分も組み立てる部分もないので、手がこわばりやすい方、視力に不安がある方、まだ手順に慣れていない方にも助かります。
服の下でいちばん薄いラインを出したい方にも人気です。固いつなぎ目のリングがないので、パウチがお腹にぴったり沿い、ハイウエストパンツやラップのようになめらかな一枚の下なら、ほとんどわからなくなります。
- 体にフィットする服の下でも、いちばん目立たず、いちばんフラットに見せたい。
- 排泄のリズムが安定していて、決まったタイミングで装具ごと交換している。
- 粘着剤が肌に合っている。
- 手早い1ステップの手順がいい、または手の力が弱い。
二品系が合いやすいのはこんなとき
二品系は、面板を何日も貼ったままにできるので、肌を守りやすいシステムです。粘着剤を剥がすたびに、ストーマ周囲の皮膚には小さな負担がかかります。肌が敏感だったり荒れていたりするなら、剥がす回数が減ることでトラブルも減らせるかもしれません。
使い分けの自由度が高いのも二品系の良いところです。ジムや水泳には小さめのパウチ、長い移動や夜には大きめのパウチ、お出かけには閉鎖型のパウチと、同じ面板のままで替えられます。パウチを外せるので、ストーマの確認や、漏れたあとの片づけも楽になります。
- ストーマ周囲の皮膚が敏感、赤くなりやすい、または荒れやすい。
- イレオストミーや排出量が多く、パウチの排出や交換が頻繁にある。
- 活動に合わせてパウチのサイズを替えたい。
- 面板を剥がさずに、ときどきストーマの状態を見たい。
- 引っ込んだストーマや平らなストーマのために凸面型の面板を使っていて、しっかり固定したい。
閉鎖型、排出口つき、ウロストミー用は、どちらにもあります
単品系か二品系かは、排泄物のタイプとは別の選択です。どちらのシステムにも、閉鎖型パウチ(おもにコロストミー向けで、便が固めのため、1日に1〜2回パウチごと交換します)、排出口つきパウチ(おもにイレオストミー向けで、下の開口部から排出します)、そして下に排出コックがついたウロストミー用パウチがあります。
つまり、単品系の排出口つきも、二品系の閉鎖型も選べます。先に排泄物のタイプを決めて、そのあとで単品系か二品系かを選びましょう。それぞれの手順をくわしく知りたいときは、ストーマ装具の交換と排出の頻度と、イレオストミーとコロストミーの違いのガイドを読んでみてください。
どちらかのシステムのほうが漏れやすい?
それだけが原因ではありません。漏れは、パーツの数ではなく、フィット感から起こります。面板の穴はストーマの大きさに合わせて、まわりの皮膚が約3mm見えるくらいにします。肌は清潔にして乾かし、貼ったあとは1分ほど押さえて、体温で粘着剤をなじませましょう。
二品系のつなぎ目は、最後までカチッと閉まっていないと漏れの原因になります。単品系は、貼る角度が悪いと縁から密着がゆるむことがあります。どちらの場合も対策は同じです。手術後にストーマの大きさが変わったら測り直す、しわをのばして貼る、いっぱいになったパウチの重さを支える。オストミーパウチ用に作られたベルトは、粘着部分にかかる引っ張りを減らしてくれます。縁からの漏れは、たいていそこから始まるからです。
もう一方のシステムを、無駄なく試すには
切り替えるのは、ごく普通のことです。最初の数週間は単品系を使い、ストーマが小さくなって肌を休ませたくなったら二品系に移り、季節や活動に合わせて行ったり来たりする方も多くいます。
まず測る
ストーマは手術後6〜8週間ほど小さくなっていきます。新しい箱を注文する前に、もう一度測りましょう。
サンプルを頼む
多くのメーカーが、両方のシステムの無料サンプルを送ってくれます。箱で買う前に、それぞれ1回分ずつ試してみましょう。
1週間使ってみる
仕事の日、運動、シャワー、夜の睡眠まで通して着けてみてください。最初の1時間よりも、ずっと多くのことがわかります。
肌を確認する
剥がしたとき、面板の下の肌を見ます。ピンク色くらいなら大丈夫です。赤くただれていたり、じゅくじゅくしていたり、痛みがあったりしてはいけません。
それぞれのシステムでの服の着こなし
薄い単品系パウチはフィットしたトップスの下に隠しやすいですが、パウチを平らに整えれば、二品系でも同じようになめらかに見えます。コツは、その上に重ねるレイヤーです。
ハイウエストの内ポケットつきストーマ用パンツなら、どちらのパウチも体に近い位置でフラットに支えてくれます。ストーマ用ラップは、フィットしたトップスの下でパウチの上をなめらかにやさしく包み、やわらかいパウチカバーは、プラスチックを隠して、肌に貼りついたり、静かな場所でカサカサ音を立てたりするのを防ぎます。水泳には、パウチ用の内ポケットつきのストーマ用水着を選びましょう。チェックリストはストーマと泳ぐときのポイントで確認できます。
スポーツをする方や、飛びついてくるお子さんがいる方には、ストーマガードが、どちらのシステムでも、パウチへの衝撃やシートベルトの圧迫をやわらげてくれます。
よくある質問
コロストミーには、単品系と二品系のどちらがいいですか?
どちらも使えます。コロストミーの方は、薄くて1日に1〜2回の交換が手早い単品系の閉鎖型パウチを選ぶことが多いです。肌が敏感な方や、面板を剥がさずにパウチを替えたい方には、二品系がおすすめです。
イレオストミーにはどちらがいいですか?
イレオストミーの排泄物は水様からペースト状で、こまめな排出が必要なため、排出口つきパウチが基本です。パウチを替えても面板を数日そのまま貼っておける二品系を好む方が多く、排泄物で荒れやすい肌を守るのに役立ちます。
ほかのメーカーの面板とパウチを組み合わせてもいいですか?
たいていはできません。二品系のつなぎ目はメーカーごとに専用なので、面板とパウチは同じメーカー、同じフランジサイズのものにする必要があります。単品系は、そもそも組み合わせることがありません。
二品系はかさばりますか?
つなぎ目のリングの部分が、少し厚くなります。ハイウエストパンツやラップの下なら、違いはほとんどわかりません。最近のリングは、かなり平らなものも多いです。
単品系・二品系は、どのくらいの頻度で交換すればいいですか?
面板は3〜5日ごとに交換する方が多く、漏れたりかゆくなったりしたら、それより早めに替えます。単品系は、そのサイクルで装具ごと交換します。二品系なら、パウチだけを好きなタイミングで替えることもできます。お使いの製品の目安は、ケアチームとメーカーが教えてくれます。
どちらが安いですか?
手順によります。1回の交換あたりでは単品系のほうが安いことが多く、面板1枚が数日もち、その上で複数のパウチを使うなら、二品系のほうが安くなることもあります。価格は購入先や、加入している保険や公的制度でまかなえる範囲によっても変わります。
どちらを選べばいいか、どうすればわかりますか?
それぞれのサンプルを取り寄せて、1週間使ってみてください。ぴったり合うのは、しっかり密着して、肌が落ち着いていて、日中に気にならないシステムです。
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